Twitter 300字ss  お題:「休」
ずる休み

2017.08.05


 よく陽のあたる縁側で、真島は暢気に寝転んでいた。八月も半ば。汗が吹き出るぐらいの暑さの中、彼は不思議と涼しげな顔をしている。
 そばに寄って顔を覗き込むと、何の前置きもなく瞼が開いた。
「なんじゃ、『転校生』か」
 真島がボソリと呟く。ここに来て二週間も経つのに、真島は未だに俺のことをそう呼ぶ。よそ者だと言われているようで気分が悪い。
「なんしに来た」
「休んだからプリント届けろって……」
 目を細めてこちらを見る真島に少しムカついて、皮肉を返す。
「元気そうじゃん」
「仮病じゃけ」
 真島は悪びれもせずニッと笑った。
「蝉のな、羽化を見とったんじゃ。見入って時間を忘れとった」

 帰宅後、図鑑を見た。蝉は夜に羽化するらしい。



都会のやつはものを知らんな
Copyright ©2017 Maki Tosaoka