眠る樹海堂 top

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Twitter 300字ss　　お題：「約束」

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　祖父の旧知だと名乗った男が、恭しく礼をする。
「わたくしは、『契約を司る魔神』と呼ばれております」
　彼は私に向かって、羊皮紙と羽ペンを差し出した。
「貴女の願いを三つ叶えましょう。ただし、最後の願いを叶えた暁には、其の魂をいただきます」
　私は膝を抱えたまま、男を見上げる。
「なんでもいいの？」
「わたくしに、できることなら」
「そう」
　私は、契約書にサインした。

　一つ目、二つ目……その場で願ったことは、あっという間に叶えられた。
　しかし、
「私を殺して」
「できません」
三つ目の願いに、男は首を振り続ける。
「おじいちゃんの魂は持っていったくせに」
　男は目を伏せた。
「そのときに約束したんです」
　孫を幸せにしてやってくれ、と。

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私の願いは叶わない。
おじいちゃんの願いも叶わない。