眠る樹海堂 top

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　賭けをしよう。
　そう持ちかけ、二つのコップを用意した。外も中身も見た目は全く同じ。しかし、一方には毒が溶けており、どちらか選んで飲み干すだけのゲームだと説明を加える。
　選択権を譲ると、相手は匂いを嗅いだり覗き込んだりした末、片方を手に取る。降りる気はないらしい。区別はつかなかっただろうに。
　剥がれぬポーカーフェイスに内心で賛辞を贈り、同時に中身を呷った。

　しかし、度胸は場合によって己を殺す。
　実は、毒は両方に溶かしておいた。同時に飲んで生き残るのは、解毒薬を飲んだ自分だけ。勝負に乗った時点で相手の負けだ。
　最後は俺の勝ちだね。
　もう物言わぬ唇を指でなぞり、呟く。生前、強気に微笑んだそれは、まだ柔らかだった。

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300字ss「Drawn game」のIFバージョン
相手が華麗に勝利を収めるラストも用意したいところだけれど、今のところ方法を思いつかない。
あと、300字に収まる気がしな(ry